書店に入れば、金融分野を通ったときに、本を読むのにかかるほんの数時間でお金持ちになれる、と主張するキャッチフレーズの横に、シャープなビジネススーツを着た数十人の男たちの、カリスマ性のある顔をとりあげた本が沢山並んだ本棚を、おそらく見るはめになるでしょう。眉唾物に思えるなら、おそらくその通りなのでしょう。とはいえ、中には、本当に価値のある知識をあたえて、本物の金融ノウハウをあたえ、本物の取引の基礎を教えてくれる本当にすばらしい本もあります。
ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』
これは古い本です。初版が発行されたのが1949年のこの本は、他の多くの本と異なり、時の試験に本当の意味で耐えてきました。ベンジャミン・グレアムが亡くなったのは1976年ですが、この作品のおかげで、死後も成功をもたらし、同様に成功を収めた金融関連の著者の手で何度も改訂されてきました。長期投資のバイブルの一つで、ウォーレン・バフェット自身の推薦を受けています。
スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー 『ヤバい経済学』
当代最高の本の一つと称賛される 『ヤバい経済学』は、複雑な金融と経済の概念を取り上げ、つながりのある面白いものとし、その一方で、ユニークなユーモアのセンスを維持して、新鮮さを保っています。この本は間違いなく、すべての人への個人的な取引基礎コースの一部となるはずです。
ベンジャミン・グレアム/デビッド・L・ドッド『証券分析』
グレアムだけが、このリストで2回登場しますが、それには最もな理由もあるのです。本書では、グレアムとドッドはバリュー投資の概念を研究しています。バリュー投資は「よい取引を見付ける」原則のことです。割安株の見つけ方、実際の価値に達するのを待ち構えている株を安いうちに買い、大きな利益をあげるようになると教えてくれます。
マイケル・ルイス『ライアーズ・ポーカー』
歴史は繰り返すというのは、大いなる真実です。多くの人が分かっていないのは、この原則が金融市場にもあてはまる、という点です。ルイスは大局的見地からウォール街を見て、住宅市場の暴落が起こり、世界経済を景気後退に追い込んだ2000年代に、いったい何が起こったかを説明しています。ここでは今後10年ほどの間に、同様の出来事が起こると推定できますので、この本は読む価値があります。
チャールズ・キンドルバーガー『熱狂、恐慌、崩壊―金融恐慌の歴史』
以前の内容に沿って、この本は、歴史と、当時、観察でき、世界を襲った大きな金融危機に繋がったトレンドを研究しています。キンドルバーガーは経済学者で、2003年に亡くなる前まではMITで教えていました。初版が発表されたのは1978年ですが、以後、数回改訂されています。様々な危機がこの15年間に起こったからです。最新版では、2007年と2008年の金融危機とその原因を取り上げています。
リチャード・ディクソン/トレイシー・ヌードセン『Mastering Market Timing』
需給はビジネス、経済、そしてもちろん金融で、最も基本的な概念の一つです。この本では、著者は需給に特に直接の関係があるローリー分析とウィッコフメソッドを中心に、重要な経済・財務原則を考察しています。この2つの方法を組み合わせると、ボリューム分析に沿って価格を理解できると書かれています。これが、需給の影響を受けた市況を理解する鍵です。
以上の本を全部読むと、誰にでも金融、市場、経済と投資の全体像を確実に理解できるようになります。この6冊の本は、書店の金融部門でみつかる本のほとんどよりもはるかに価値があるもので、取引で稼げる本物の証明済みの方法を教えてくれます。